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「気まぐれ日記」No.2 馬場さんと本(2003/07/23)

[2006年07月29日]

 馬場さんにとって本は、切っても切れないものでした。若いころ、ハワイに行くと、プールサイドやビーチで本を読みふけり、気がつくと全身は日焼けで真っ黒、でもアゴの裏から首にかけては真っ白。まだら状態に、ふたりであたふたしたことが懐かしく思い出されます。

 本はもちろん日本から持っていくのですが、ハワイに滞在する期間が長いと、自然と持ち込む本の冊数も多くなります。スーツケースの半分が本で埋まってしまうこともしばしばでした。これが重い、重い! エアポートでは税関の人に「なんで金のノベ棒を持ってきたの?」とジョークを飛ばされたこともありました。

 往復の飛行機の中でも、馬場さんは寝ないで本を読んでいました。私はといえばその横で、ライトがついているにもかかわらず、グーグー寝ていましたが……。

 そういえばいつだったか、新幹線に乗り合わせたという芸能人の方が「文庫本が馬場さんの手の中に納まっていた」と、テレビで面白おかしく話されていましたが、馬場さんには独特な文庫本の持ち方がありました。右手の人差し指と薬指を前へ少し折り曲げ、そして中指を逆にそらせるようにして、そこに読んでいるページを上からはさみ込むようにするのです。わかりますか? つまり、指で押さえることによってページが戻らないようにするのです。

 本のカバーは、外していました。そして、途中で“時間切れ”になると、ページを折り曲げていました。読み終わると、本棚に収まるのが普通ですが、馬場さんが読んだ本については、私が集めて父のもとに定期的に送っていました。最終的な目的地は、明石市の公民館の図書室です。

 ただ、明石の皆さんに喜んでいただくためには、馬場さんが一度は外したカバーも必要です。私は、せっせと拾い集めては、元の姿に戻していたのですが……。馬場さんには、本を送っていることを特に知らせてはいませんでした。でも、のちにそのことを知ったのでしょう。あるとき、馬場さんから手渡された本に、ページを折り曲げた痕跡はありませんでした。にやっと笑った馬場さんの表情は忘れられません。

 日本にいるときは趣味の違いもあって、馬場さんが愛読していた本を、私が読むことはほとんどありませんでした。でも、海外に行くと時間があるので、私も何でも読むようになり、歴史モノや時代劇モノが好きになり、おかげで視野が広がりました。反対に、馬場さんが私好みの本を手にすることはありませんでした。たとえ、どんなに読むものがなくても……。マンガ本を読むこともありませんでした。

 私自身、本からはいろいろなことを教えられ、考える材料を与えられました。そして、読書をする馬場さんと、のんびり過ごす時間が好きでした。そんな思いから、このホームページに「図書室」を開設してみました。皆様もぜひ、お立ち寄りください。


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